眠っているときに隣で寝ている人を殴る、蹴る行動がある、激しく叫ぶ、暴れる症状が問題となることがあります。夢の内容に反応した、好ましくない異常行動を特徴とする病気がレム睡眠行動障害です。中高年に多く、認知症とパーキンソン病の初発症状として注目されています。
私たちの眠りは2種類で構成され、ノンレム睡眠(深い眠り)とレム睡眠(浅い眠り)があります。前者では体が動ける状態ですが、後者では筋肉が緩んだ状態となっています。通常の寝言や寝相は、ノンレム睡眠で起きます。一方、レム睡眠行動障害の寝言や寝相は、夢を見るレム睡眠で生じます。
夢を見ている浅い眠りの状態では、脳幹から骨格筋の活動を止める安全装置が働いています。しかし、何らかの原因でこの安全装置がうまく機能しないと、夢の内容に反応して体の筋肉が動き、ストーリー性のある寝言、暴力行為が発生します。
特発性 | 明らかな原因が見当たらないタイプ |
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2次性 | 様々な原因や病気に関連して生じるタイプ 脳血管障害、頭部の炎症性疾患(脳炎、髄膜炎)、ナルコレプシー、神経変性疾患、アルコール、睡眠不足、薬剤など |
診断は問診による症状の確認と終夜睡眠ポリグラフ検査の結果を総合して確定されます。レム睡眠中の筋活動を確認し、夢の内容と言動が一致するかどうかもビデオデータを参考にして調べます。検査入院が可能な精神科、神経内科、睡眠科への外来受診を検討して下さい。